イギリスに視察に行ってきました!

先週の16日から本日までイギリスに子どもの貧困政策をテーマに視察に行ってきました。
これは関西の子ども系NPOで構成する一般社団法人Collective for Childrenが実施した視察で、7団体12名が参加しました。当法人からも私と事務局長の松本が参加しました。
今日の朝、関西国際空港に到着したばかりで、時差ぼけでかなり眠いのですが、記憶の新しいうちに簡単に備忘がてら、訪問先の記録をブログに残しておこうと思います。(のじま)
※私のメモと記憶で記載していますので、一部、誤りがある可能性がありますが、ご容赦ください。正式な報告書は今後、作成予定です。

Sustain(Capital Growth

イギリスの有力なNGOなどが集まって組織されたサステインは持続可能な社会づくりを目指して設立された。
その一つのプロジェクトとしてCapital Growthという活動がある。
これは2000年のロンドンオリンピックにともないレガシーとして市民農園を市民の手で作ろうというプロジェクトでロンドン市内に約2500の農園が作られた。
これらの農園は市民の手によって管理され、農産物を生産し、安全で安心な野菜を市民に提供している。
近年は給食のない週末に欠食やジャンクフードで空腹を満たそうとしているホリデーハンガーの子どもたちも深刻な課題としてとらえており、子どもたちに対する食育などのプログラムも提供している。
市民農園は単に安全な食材を市民にもたらすだけでなく、農園を共同管理することによって、市民のコミュニティづくりにもなっており、その効果は極めて大きい。

Education Endowment Foundation

この財団は3歳から18歳までの子どもたちの教育についての効果測定や評価、分析を行っている。
英国内のすべての学校の学力、所得、英語を第一言語としない人の割合などのデータを集計し、公開している。
また、学校や地方自治体が実施している様々な教育政策について評価を行い、その効果を明らかにしている。
さらに世界中で実施された教育政策の評価等についての論文などを収集、分析し、それらの情報を校長や教員が利用できるようわかりやすく整理し、公開している。
校長や教員のための教育ツールキット
全学校データベース

ルーモス財団

この財団は遺児や養育にかける子どもを収容する児童養護施設から養子や里親などの家庭における養護を推進している。
英国だけでなく、世界中の国々で、施設での養護から家庭的養護に切り替えるための政策提言などを行っている。
この財団は『ハリー・ポッター』の著者であるJ.K.ローリングさんが設立したということでも有名。
ちなみにLUMOSというのはハリーポッターに出てくる「光を」という周囲を照らす呪文に由来している。(能島の推測)

ロンドン大学Birkbeck児童家庭社会問題研究所

イギリスではブレア政権によって貧困地域に住む未就学児童に対する支援プログラムとしてSure Start Local Programmeが開始された。
また2003年には全国にChildren Centreが設置され、妊娠から出生、産後、育児支援、母親等の就労支援、住宅支援などの一貫した支援システムが構築された。
この研究所の所長であるEdward MelhuishはそのSure Startの評価を行っている。

在英国日本大使館訪問

在英国日本大使館を訪問し、イギリスの教育政策などについてのお話しを伺う。
ヒアリング後は、我々が食事をしていたパブにも一等書記官にお越しいただき、行政としての視点だけでなく、生活者視点から見たイギリスの教育政策や保育所の状況などについて意見交換させていただく。

Acacia Children's Centre

上記のSure Start Local Programmeにより設置されたChildren's Centreの一つ。
未就学児童の保育を行うスペースや母親等の支援機能、高年齢児童の冒険遊び場などを備えた施設。
妊娠期から学齢期までの子どもたちについて一貫して支援を行っている。地域内の子どもに関するデータをセンターだけでなく、医療、保健、福祉、学校などの機関とも共有している。