世の中で一番敏感なのは居酒屋業界ではないのか?

私は、大学時代4年間居酒屋のアルバイトをしていた。4年間という短いスパンでも居酒屋業界はとてつもなく早いスピードで変革を行っていった。

大学1回生の時、生ビールは大体どこのお店も1杯480円〜580円で売られていた。あまり詳しくは知らないが、暗黙の了解みたいな形でどこの居酒屋もこれ以上安くしようとしなかったらしい。(ビールは高くても売れるので)
ただ、鳥インフルエンザが流行りだした辺りから、飲食業界がまったく儲からなくなり、確変が起こった。どこかが、ビールを380円で売り出したのだ。そこからどんどん価格競争が起こり、現在発泡酒以外のビールもかなり格安で飲めるようになった。

また、大学2回生あたりから、「エンドレス飲み放題」というものが出てきた。要は22時以降から朝まで1500円程度で飲み放題ができるという大学生にとっても優しいサービスである。

その他にも「相席屋」という制度も出来た。おもしろいのが、関西で相席屋の第1号店が出来たとき、東京の友人にその話をすると、東京では半年くらい前にできて今はそんなに流行っていないと話していた。それくらい流れは早いのだと思う。

最近では、「焼き肉屋のセルフサービス」や「お刺身食べ放題」などの記事を読んだ。あの手この手でここに利用者のニーズがあるのではないのかと打ち手を出してきている。

なぜこんなことを書くのかというと、先週立案合宿があったからだ。
字で書くとおり、来年度の案を立てるとても大事な合宿である。

ただ、今年の立案を見ていると、正直少し残念な気持ちになった。
BHの一番良いところは、自分たちの活動や環境を自分たちで改善できるとことだと思う。

大人になれば、会社の方針や団体の方向性などを決める場に入れることはなく、大抵の場合、上からトップダウンでこうしてと言われ、そこに納得がいかなくても、そうせざる負えない状況が生まれる。

ただ、BHの場合はそうではない。今年嫌だとか、課題だと思えば、制度そのものを変えてしまえばいいのだ。
確かに制度を変えるのは大変だが、最も合理的で誰もが必要だと感じれば、それを潰しに掛かる人なんていない。

今年の立案でも、昨年の振り返りを行い、「スタッフが少ない」「マニュアルが邪魔くさい」などいろんな課題がでた。
立案の最終目標が事業案を完成させることなので、予算などの話にどうしても流されてしまいがちだが、それにしても多くの事業部が昨年度の踏襲を続け、抜本的な解決までいけなかったのではないかと思う。

このまま行くと来年も「スタッフが少ない」と嘆いている気がしている。

まだ今からでも遅くはない。どうすればその課題が解決されるのか、真剣に向き合ってみてほしい。提案をどんどんしてみてほしい。

2年前当時のデイイベント事業部が来年度の案を10案ほど出して、理事長に「しょぼ!!もう一回全部考え直して!」と言われ夜通しで案をだしていたのを覚えている。

ただ、今思えば、その学生たちも適当に出したのではなく、「今年はこの施設の申込みが多かったからこういうイベントやれば人が集まる」とか、「保護者からこんなこと言われたからここにニーズがあると思う」とかその年の課題を解決すべく必死でやっていた。

居酒屋だって正解を持って、挑戦している訳ではない。おそらく、成功事例の前にその10倍の失敗事例があったりするのではないだろうか。
失敗をおそれては何も得られない。少なくともこの組織は攻めにいって、目標利益を達成できなくても、死ぬほど怒られることはない。(社会人になれば当然結果が得られなければ怒られるが)

とりあえず、今の学生たちが、ニュースみながら、「国は何もしてくれない」と愚痴るだけの人にならないことを祈っている。

(片岡)