危機管理とタイミング

毎週木曜日は関西学院大学で講義をしています。
今日も講義の日だったのですが、朝からかなり強い雨。大雨洪水警報も出ていました。
本当に今日は講義があるのかなと疑いながらも、関学からは特に連絡もないので、普通に講義の準備をして、大学に向かおうとしていた。そんな中で突然、携帯が鳴り出す。つい先日、大きな地震があったのでまた地震警報かと身構えたが、よく見ると土砂災害警戒情報が西宮市に発令されたとのこと。それでもなお、関学からは連絡もなく、ホームページにもなにも情報はなかった。なので、しかたく西宮北口からバスに乗り、関学へ。
外はかなり強い雨。川も増水していて危険な雰囲気。なので、少なくとも私の講義の履修生については、安全を優先してもらえるよう、Twitterで呼びかけ。関学からはなんの音沙汰もなし。
そして講義室に入るといつもより少なめではあるが学生たちが座っていた。プロジェクターにパソコンをつなげ、授業の準備をする。そして2限開始のチャイムがなった。私はマイクをとり「おはようございます」と呼びかけた瞬間、ドアが開き、事務職員らしき人が入ってきた。「今日は2限以降、休講にすることがいま決まりました。」学生たちは大歓声。
私もやっと決まったという思いではあったが、決定があまりに遅いと思った。地震などの災害と異なり、台風や豪雨はあらかじめある程度、予想が付けられている。そして、数日前から豪雨の注意も呼びかけられており、当日は大雨洪水警報に、土砂災害警戒情報まで出されていた。確かに大学の規定では「暴風警報」以外は休講にならないし、関学は土砂災害警戒地域には入っていない。
しかし、だからといって、こんなにも決定が遅くなるのは信じられない。もし早朝の段階で、それは無理であっても土砂災害警戒情報が出された10時過ぎの段階で休講を決めていたら、それなりの数の学生は自宅に待機することができたはずだ。にもかかわらず、決定が遅れたことによって、それらの学生の安全を著しく脅かすことになった。確かに2限開始の直前に大きな状況の変化があったのであれば、まだ理解できる。ただ、今回はもっと以前に判断に必要な情報はすべてそろっていたはずだ。あとは学内の情報伝達体制と責任者の意思決定の迅速さの問題でしかない。その点において、今回の関学の対応は大きく反省すべきことだと思う。
授業を実施することも大切だが、大学も学校である以上、学生の安全を守ることは何よりも優先されることだと思う。(のじま)