案外おもしろいかもしれない

「やりがいはなんですか?」

とある高校の授業で話をした際に高校生がBHの大学生に聞いた質問だ

「ボランティアをしているやりがいはなんですか?」

私は答えなかったが考えていた
「なんとなくがんばっていた」が「ここでがんばろう」と思った瞬間を

2007年の夏に実行総責任として関わったキャンプ
集合の時にある子どもが泣きながら叫んでいた。
「お母さんと離れたくない。このまま帰る」

3泊4日のキャンプ
今思えばきっとご両親が勝手に申し込んだのだろう

前で話しながら苦笑いを浮かべたのを覚えている
あーやっぱこういう子どもいるよなー
困ったなー
楽しんでくれるかなー

そんな彼もバスに乗るころには泣き止んでいて
リーダーたちと話していた

キャンプ中の彼の様子はまったく覚えていないけれど
解散の時の彼の様子は覚えている

彼はリーダーに言った
「帰りたくない。」

あの言葉を聞いた瞬間その時はなんともおもわなかったけど
終わってじわじわと湧き出したうれしさが今でも記憶に残っている

自分が企画したキャンプでこんなに人が喜んでくれたことを
普通に高校を卒業して、なにも考えず大学に入って、なんとなくボランティアを始めた自分が
はじめてやりたいと思ってはじめたキャンプで子どもがよろこんでくれたことを

宝塚の池田銀行前のあの解散の風景をふと思い出してしまう

きっと彼は今頃大学生、もしかしたら社会人になってるかもしれない
おそらく彼はそんなことは覚えてないだろうし、キャンプに参加したことさえ忘れていると思う

でも、あの時にあの経験が自分がここの組織でがんばろうと思った瞬間だったことを思い出した
あの一瞬がしんどかったからやってよかったに変化した瞬間だったのだと思う

最近、人の前で話す機会が多くなった
誰かの言葉や受け売りだけではなく、自分の言葉に落とし込んで話さないといけなくなった
だから自分の経験を、なんで今自分がここにいるかを考える機会が多くなった

いろんな小さなきっかけが今の自分の居場所を作っていると思う
それは必然的に起こったことではなく、たまたま自分が選択した先での出会いの積み重ねなのだろうと感じている。

今、この瞬間もだれかとの関りが10年後の自分の人生を変えているかもしれない。
そう思うと人と関わるのは案外おもしろいのかもしれない。

松本