不登校の子どもを学校に戻す!?

先日、ある団体が次の様なミッションを掲げて話題になった。

「日本全国の不登校者全員の教育に取り組み、通学していた学校に戻す」

不登校の子どもたちを支援している私たちからすると、とても驚くようなミッションだと思う。

不登校の子どもの中には、学校に戻ることを希望している子どもも少なくはないし、学校に戻ることが最善だと思われる場合も少なくはない。

なので、学校に戻ることを否定する訳ではないが、「日本全国の不登校者全員」を「学校に戻る」ということになるとそれは大きな誤りだと思う。

学校に戻ることが最善の子どもがいる一方で、家庭や学校以外の場で学ぶことの方が適切であると思われる子どもも少なくはない。

そんな子どもも含めて「全員を学校に戻す」というのは暴挙と言うほかない。

かねてから言っているが、教育には多様性が必要だと思う。

学校という選択肢も大切だし、それ以外の選択肢も大切だと思う。

多様な選択肢が存在する地域や社会は、本当に豊かだと思う。

子ども一人一人に個性や特性があり、それぞれに環境や状況が異なっている以上、その受け皿も多様でなければならないと思う。

学校に戻すという活動は否定しないが、それをすべての子どもに提供しようとするのであれば、それは断固、否定しなければならないと思う。(のじま)