禿げたら、坊主にするわ。っていう人めっちゃいるんですけど、
「禿げたら、坊主にするわ。っていう人めっちゃいるんですけど、実際に坊主にしてる人ってごく一部ですよね。」
行きつけの美容師さんがそんなことを言うものだから、一緒に色々と話し込んでしまった。
確かに、そういう男性は実際に多そうだし、「禿げていることを隠そうとしてできないくらいなら、坊主やスキンヘッドにしたほうが潔いし見た目にも良い」ということは多数派の考えであるように思う。
では、なぜそういった考え方があるにもかかわらず、実際に坊主にする人は少ないのだろうか。
まず考えられる単純な理由としては、
・自分は似合うのだろうか
・坊主にして周りになんて言われるのだろうか
・周りが何て声をかけるべきなのか逆に気を使わせるのでは
といった、「坊主にした後の事象における不安要素」である。
これは坊主に限らず、何か大きな変更をしなければならない時にはありがちなことで、実際にやるとなったときに初めて不安になるというものだ。
これはどうしても仕方がない部分があると思うが、もう一つ重要な理由が考えられる。
それは、「まだ禿げていないと思っている」問題である。
一番初めに書いたように、
「禿げるら、坊主にするわ。」と宣言しているのであって、禿げていなければ坊主にする必要はない。
ただ、「禿げる」という状態の定義がかなり曖昧である為に「まだ自分は禿げていない」もしくは「禿げてきてはいるが、坊主にする程度ではない」と判断している場合が考えられる。
だとするとこれは大きな問題である。
そういった人がいる為に、同じ年齢層の中で「この人が坊主にしていないから自分の禿げは坊主にする程度ではない」と曖昧な感覚で行われた判断が、さらに別の人の判断基準になってしまう可能性もある。
では明確な判断基準を作ればいいのではないか。
そして、この判断は担当の美容師がするべきではないのか。
「いや、それは絶対に言えないです」と担当美容師。
理由としては
・ここまでいったら禿げという明確な基準がないこと
・進行の程度が人それぞれで、今後の予想がつきにくいこと
ということでやはり「定義」がないと厳しいということか。
確かに考えてみれば、明確な基準がないまま「病気です」と診断する医者はいない。
面積当たりの髪の毛の本数なのか、髪の毛1本あたりの細さなのか、毛根の生存率なのかは分からないが、定期健診とかで
ピッ!(何らかの機械音)
先生「あー。禿げですね」
と言われる時代のほうが、みんなのためにハッピーな気がする。
あくまでも気がする。
(おかたく)