「大切なものは目に見えない」ままでいいのか。
大切なものは目に見えないんだ
これは星の王子様での有名なセリフである。
物語では大人たちが気にしている数字や属性よりももっと大切なものがあるのだという主張で、「大切なものは目に見えないんだ」という言葉が使われる。
確かに社会で大切にされていることや大人が重要視している事柄の中には「なんで?」と聞かれたときに「そういうものだから」と答えるしかない意味のないことがたくさんある。
だからと言って「大切なものは目に見えないものだ」という主張には違和感を感じる。
基本的に現在の社会で数値化されて効果が明確にならないと価値があることは証明できないし、それを放棄してしまうのはどうなのだろう。
その目に見えない何かが社会全体とって大切だと主張したいのであれば数値や科学で見える化しなければ納得させることはできないし、大切にはしてもらえない。
と思うと同時に、自分たちの仕事の意義でもある野外活動の効用とか、学生の成長とかは、大切だけど数値化できていない。
しかも数値化できないことに甘えてはいないだろうか。そんなことを思う。
まあそもそもこのセリフを直接的に解釈しすぎだとは思うが、依然読んだときには感じなかったことだった。
もしかしたら大人に近づいてしまったのかもしれない。
(おかたく)