西宮市長のお話を聞いて

今日、私が関西学院大学で講義を担当している授業に今村岳司西宮市長がゲストスピーカーとしてお越しになった。
講演のテーマは「西宮の地域課題」
市長は大学時代に西宮が誇る進学塾「浜学園」で教鞭をとられていただけに、黒板を駆使して、西宮の100年の歴史を振り返りながら、現在の課題についてお話しをされた。
その中で、西宮で育った子どもが20年、30年後に子育てするようになった時に、西宮に戻ってくるような政策が重要だと語られた。
最近、地方創生などのかけ声とともに、各自治体とも人口政策について、かなり積極的だが、その多くは短期的な人口増を目指したものに過ぎない。
ただ、オールドニュータウンの問題にも見られるように、一時的に人口を急増させたとしても、それはやがて均一に高齢化し、やがて様々な課題を生むことになる。
それに対して、いま西宮でくらす子どもが、数十年後に西宮に戻ってくるという構想は、短期的に成果は上がりにくいが、一方で持続的に20代から30代の子育て世代が流入する街を作ることができる。
昨今、成果やインパクトの議論が非営利の世界でもさかんだが、短期的な成果と長期的な成果は必ずしも一致しないこともある。
短期的な成果に惑わされず、長期的成果を望むのか。本当に悩ましい。(のじま)