ザマミロ感

12月に入り、今年も残すところあと1月。流行語大賞のニュースを見ながら、今年もいろんなことがあったんだなと考えてみていたが、よくよく考えてみると、興行収入で190億円を突破した「君の名は。」も現在おっさんたちがウケを狙おうと忘年会のネタで必死に覚えているであろうダンスで有名な「逃げ恥」も一切見ていない。

いつもそうだけど、世の中の流行と言うのにはかなり疎いのだと思う。(むしろみんながみていないものの方が価値が高い様に思ってしまう。)

そういう少し捻くれた性格であり、事務所に学生から性格悪いと罵られている私であるが、
たぶんそれはサッカーに起因しているのだと思う。(前も同じようなことを書いた気もしているが、なんでもサッカーのせいにしようという魂胆だ。)

先日、今年のJリーグの年間王者を決める戦いの第一戦が行われ、1-0で浦和レッズが勝利した。
その時の記事にDFの槙野智章選手の記事コメントがおもしろかった。
この試合槙野選手には、鹿島のキーマンである金崎選手を抑えることを課されていた。

前半からたびたび槙野と金崎は局地戦を繰り広げ、激しい競り合いが何度も見られた。前半40分には槙野に対するファウルで金崎にイエローカード。「彼の力強さやスピードは脅威。ファウルもあったけど、自由を与えないのが僕の仕事だった。彼をイライラさせようと思ったし、イエローカードは想定内。ああすることで彼は強く行けなくなる」と、してやったりの表情だ。「恥ずかしながら、得点を取る喜びよりも、(失点を)ゼロに抑える喜び、相手のキーマンを抑える喜びを感じている。」

なぜこれがおもしろいのかというと、自分も小学生の時から高校生まで10年近く、ディフェンダーというポジションでサッカーをやってきたからだ。
よくある話だが、こんな言葉がある。

「FWは10本シュート打って、1本決めれば主役になれる。DFは9本完ぺきに防いでも、1本決められれば、敗因になる。」

そんななんとも言えないところに魅力を感じて、10年近くやってきた。
(なので今人前で話すよりも、子どもたちの前で頑張っている学生の後ろを支える方が性に合っているのかもしれない。)

だからこそ、0点で抑えるということはとても魅力的な結果であり、
相手のエースを抑えるということは至福の時であり、イライラさせてイエローカードを出させるというのはこれ以上にないしてやったりの瞬間なのである。
こういうザマミロ感を追い求めて、10年間歩んできたのだから、仕事でもそれを求めてしまう時がある。

なので、自分の怠惰によって業務が遅れている学生を見ても、事前に助けようなどとは思わない。とんでもないことになって、後で必死こいで頑張れとも思っている。むしろそういう時は、怠惰した学生のために、他の学生がその倍頑張っていたりすることが多いので、その学生にあとでザマミロ感を感じてほしいなと考えている。

ただ、サッカーと違うのは、自分は小心者なので、思ったり・考えたりしているだけで、直接的な行動には移せないということだ。
あえて出来ることとすれば、
普段いじめられている社長に一矢報いるべく、炭水化物ダイエットをしている社長の横で、丼とかパスタをたらふく食べるということくらいだろう。

(片岡)