学生が学生を管理するために

BHでは各イベントに「企画管理者」という文字通り企画の管理(運営が安全に、そしてスムーズに行われるように事前準備の確認や当日の監督)を行う役割が存在する。いわゆる「派遣さん」だが、もともと現在のように資格制度ではなく「事業部派遣」という所轄事業部から派遣される人だったためその名がついたらしい。

学生時代の自分にとって、年上の派遣さんは「あれもダメ、これもダメ」と先輩風を吹かせる憎らしい存在だったが、何故かふとした拍子にそんな派遣から言われた言葉を今になって思い出すことがある。

「このままでもいいけど面白くないね」
1回生で初めて自分1人で企画書を作った時のこと。当時は過去の企画から大きく変更することなんて考えたこともなく、既存の企画を今年用にすることが企画書を作ることだと思っていた。そうして作成した企画書を派遣に持って行った時に言われた言葉だ。その後派遣に待ってもらい、徹夜で作り直したのをよく覚えている。

「お前のイベントに対する気持ちはそんなもんか」
基本的にBHは「やる気とかなくても結果出せばいいから」主義なわけだが、このときは自分が本部をしているイベントで手を抜いていたことに対して、怒鳴られた。具体的な事は忘れてしまったが、珍しく「思い」という部分にスポットを当てられたのでよく思い出す。

「甘さは優しさではない」
これは派遣というか某理事長から言われた言葉だ。人材管理担当理事をしていた際、周りの学生に対して厳しく結果を求めることが出来ず、「その甘さが最終的には学生達を苦しめることになる。それのどこが優しさなのか」と言われた。恐怖のあまりその言葉がいつどこで言われたのかは思い出せない...

先輩と後輩という立場、もっと言えば普段は遊びに行くこともある友達でありながら、管理する側と管理される側でもある。顧客がいる以上、時には非情な判断も必要であるし、厳しく叱咤することも必要になる。ただの仲良しでいられるわけがない。

ただ一方で同じ学生であるからこそ、対等に意見を交し合うことができるし、その議論があるからその場で最適な判断ができるという側面もあるのではないだろうか。お互いに経験が浅く疑ってかかるからこそ、必然的に管理される側も正しい判断について考える。

そういう意味で個人的にはやはり、学生が学生を管理する組織というBHの特徴はこれからも崩してはいけないのではないかと思ったりするのだ。
管理する側になる学生にかかる責任は大きいけれど、得られるものは大きいと信じている。

しかしそこで忘れてはならないのは、学生が失敗して、仮に最終的に組織がつぶれるようなことがあって、最後に打撃を受けるのは事務局の職員だ。
事務局の懐の深さというか、ある種の覚悟がいつも試されているのだと思う。

(おかたく)