空白の5分間

松原からの帰り道、急にトイレに行きたくなり、近鉄百貨店内のトイレをお借りしました。

あまり世代ではないはずですが、はやり百貨店という響きと、明るいフロアにずらりとならんだ商品は、人の心を浮かれさせるのだと実感します。

しかし、今は勤務時間内。用を済ませると、和菓子や珈琲、お惣菜の誘惑を受けながらも、歩くスピードを落とすことなく、御堂筋線の改札へ到着です。

そして改札を通過しようとした財布を出した時、上着のポケットに心なしか寂しさを感じると同時に、瞬間的に重大な事件が発覚したことに気づきます。

『携帯電話がない!』

カバンを確認。ない。
再度ポケットを確認。ない。

ないー!!

とはいっても、トイレに入る際に持っていた記憶はあるので、そこまでパニックになることはありません。

今きた道を戻ってトイレまでいけばよい。簡単なことです。

今回は百貨店の誘惑に惑わされることなく、トイレまで帰ってきました。

しかし、、、

ここにも携帯電話の姿はありません。

これは、まさかの展開。ここになければ一体どこにあるというだ。

確実に置き忘れたであろうトイレ。

気がついて戻るまで5分もなかったはず。

焦っていることを悟られないように、サービスカウンターの場所を教えてもらうと、早速移動。

先ほどのきらびやかな館内とは対照的な、薄暗い警備員の休憩場所のような部屋に到着しました。

警備員「おとしものですか?」
岡田「はい。」

警備員「携帯電話ですか?」
岡田「はい。」

警備員「iPhoneですか?」
岡田「はい。」

警備員「どこでおとされました?」
岡田「地下のトイレで…」

警備員「これですか?」
岡田「……は、はい!!」

あったー!

いとも簡単にでてきたー!!

と安心すると同時にある疑問が。

『何故こんなにも早く落とし物センターに届いているのか』

14階立ての巨大百貨店で、落とした携帯が5分も経過しないうちに回収さて届けられるというのは、一体どういうことなのか。

近鉄百貨店の裏には何かあるに違いない。。。

(おかたく)