俺の中の鶴巻 その4

こういうのを書くのは本当に苦手で、頼生さんの時と同様、書くのが遅れてしまった。
なかなかまとめるのが出来なかったので、とりあえず思ったことをそのまま書こうと思う。

つるさんとの出会いは自分が大学3回生の時だった。高校生の同級生に誘われて参加したBHのイベントだったが、そのときはちょうどつるさんが育休中だったので、担当ではなかったが、その後すぐに担当職員になったのが、つるさんだった。私もすぐに事務局に入って、BHの活動を継続的にしていたが、当時職員が現場に行く回数はほとんどなく、定例のMTGに参加することもなかったので(むしろ職員に入ってもらうなんて考えたこともなかった)、事務局の僕でもなかなか話す機会はなかった。そんな自分がつるさんと長時間喋ったのは、それから1年後に自分がイベントの責任者をやることになった時だと思う。学校との打ち合わせで一緒にタクシーに乗りながら、道中は結構いろいろな話をした。何を話したのか詳細には覚えていないけど、自分が大学卒業してどうしていくのか悩んでいる時でもあったので、色々話をしてくれてたのは覚えている。「また何かあったらうちおいで!」と言ってもらえたのは、なんだか認められた気がして本当にうれしかった。
(ただ、この後打ち合わせの開始5分くらいに「ここからは学生の片岡が説明します」とほんとど説明させられるという必殺キラーパスを受けて、焦ったのは鮮明に覚えている)

卒業してからも、色々と気にかけてくれていたのもつるさんだった。
教育にはずっと関わっていたいけど、学校の先生は違うなと言った気持ちだった自分に「学習支援のコーディネーターやらないか」と喫茶店で声をかけてもらった。最初は特に興味のある事業ではなかったし、自分のやりたいことではないなと思っていたが、やっていくうちに自分の知らない世界があって、自分の力で何かできることもあるのだと実感していった。単に勉強を教えるというだけではなくて、しっかりと目的をもって、反復しながらやるだけでここまで変わるのかと思った。学校現場の教育を否定するわけではないけど、どちらかというと学校とは別の角度から教育に関わろうと決心できたのはこのコーディネーターをやったからだと思う。
最初は学年でも下の方だった子が100点を取って来たときの表情は今後わすれないだろう。
こういう経験をつるさんは作ってくれた。

そして、その後、一番大きな誘いをもらう。

「BHで働かないか?」

単に人が足りていない状況だったので、暇そうにふらふらしていた自分を誘ってくれただけかもしれないが、それでもやっぱりうれしかった。応募締め切りまでかなり悩んだが、COの時に感じたことなどをもっと形に出来るかもしれないと決断した。
この決断は、今の自分にとってかなり大きいものだと思っている。学生にとってBHの職員というのはかなり特別な存在だ。少なからず自分はそうであった。今みたいに毎回定例の会議に職員が出たりしながら、学生と一緒にやっていくというスタイルでもなかったからかもしれないが、はじめて接する社会人の大人という感じだった。自分にとって、つるさんがそうであった様に、学生が社会に出る前に、社会を体感できるというそういう存在だった。

一緒に仕事をするようになってからも、実際自分がそういう存在になれているはずもなく、1年目は本当に苦しんだ。新人研修的なものもなく、かなりの量の業務があり、責任があり、理事長に怒られては、頑張ってのその繰り返しだった。本来ならば、業務を減らすために入った自分なのに、逆につるさんに何度もチェックしてもらったりと、仕事を増やしてしまっている状況で本当に申し訳なかった。家族があって本当ははやく帰りたいはずなので、それでも夜遅くまで残って付き合ってくれた。終わった時に買ってくれるコーヒーが本当においしかった。
つるさんには「かずきは本当にメンタルつよいわー」と言ってもらっていたのだが、そんなこともなく、この時期はかなり落ち込んだり、やんだりすることも結構あった。それでももう一度頑張ろうと思えたのは、こうやって支えてくれる上司がいたからだと思う。
「いろいろな人の期待を裏切りたくない」そうやって自分を奮起させていった。

自分にとって鶴巻耕介という存在は、どんな存在かと言われると難しいのだが、
間違いなく、自分の人生に大きな影響を与えてくれた人物であることは間違いない。

勤務の最終日に、みんなの前で話をしてくれた言葉が今でも頭に残る。
「自分も子どもがいて、なかなか家にいてあげれなく、この子がもっと大きくなっていくのは可哀想だと思った。これからこれをするということが言えればかっこいいけど、今は家で子どもといる時間をつくりたい!」
泣きながら話した最後の言葉。

たぶんだけど、この言葉につるさんのすべてが詰まっているんだと思う。(かなり上からみたいで恐縮だけど)
生き方を、自分の人生を、自分で決めるということ。誰かに流されることなく、かっこつけることなく、突き進んでいくということ。そういう姿をいつも見せてくれる自分にとってつるさんはそんな人だった。
かっこつけないつるさんは本当にかっこよかった。

つるさんと出会ってからの数年間、本当にいろいろなことを学ばしてもらった。
量が多すぎて、それをすべてつるさんに返していくことは、自分のキャパ的にも無理だと思う。
でも、少しずつ後輩や学生たちに還元していきたいなと今はそう思っています。
つるさんみたいに学生たちにいいロールモデルになれるように。

本当に5年間お疲れ様でした!

※つるさんとの写真はこれしかなかった、、、
(片岡)