俺の中の鶴巻(1)

あれは確か、鶴巻がまだ学生で、キャンプで実行総責任をしていた夏のことだった。何かのタイミングで、たまたま昼食を鶴巻と二人で食べる事になり、彼が総責をしているキャンプのことに話が及んだ。鶴巻のことだから、てっきり本当に楽しみながらキャンプをやっているのだろうと思っていたのですが、思いの外、彼の様々な悩みを聞くことになった。下級生との接し方、BHのルールと自分のやりたいことの葛藤。様々な思いの中で、彼が自分を発揮しようとしていることを知った。

彼が職員になって戻ってきてから、全国で大雨や地震等、何か災害があると彼はいつもボランティアを派遣しようと提案し、そのためにいろいろと動いていた。あるとき、彼に聞いたことがある。なぜ、災害ボランティアにそのような積極的なのかと。そのときの彼の返答を今でも覚えている。「BHの職員で、私だけ阪神大震災を経験していない。」ああ、阪神大震災を経験した我々より、経験していない彼のほうが災害を真剣に考え、何かしようとまず体を動かしているのだと。

一緒に、バンドのライブに行ったこともある。一緒に東北の被災地に行ったこともある。その場その場で、彼ほど自分の生き様を強烈に残してきた男はいなかったように思う。

今まで、本当にありがとう。