母校での不祥事

毎週木曜日は関西学院大学で講義があるので、大学に向かおうとしていると、我が母校である関西学院高等部の正門前に何台かのテレビカメラが並んでいた。
何かあったのかなと少し気になったのだが、後でニュースを見ると、関学高のバレー部で部員が住居侵入などの不祥事を起こしていたらしい。
いじめなのか、悪のりなのかわからないが、こうした行為は高校生といえども決して許されるものではない。確かに我が母校である関西学院高等部は昔から規範意識に乏しいところもあり、しばしば問題行動が起こっていた。生徒からするとその延長線上だったのかもしれないが、この行為は明らかな刑法犯であり、弁解の余地はないだろう。
それとともに、いやそれ以上に私が気になるのは、5月の上旬に起こったこの事件が明らかにされたのが、7月になってからということだ。ある程度、事実関係の調査に時間がかかったのかもしれないが、当該生徒への懲戒処分が決まったのが6月の上旬であるのだから、少なくともその時点では事実関係は明らかになっていたはずだ。
にもかかわらず、学校はその事実を公表することなく、今日に至っている。なんという危機管理の弱さだろうか。
高度に情報化した社会のなかで、事件を完全に隠蔽することは極めて困難だと思う。高等部の石森部長(校長)は「生徒たちに正しいSNSの使い方を指導していく」とコメントしているようだが、それ以前に教師自身がこの情報化社会の現状を十分に理解する必要があるだろうと思う。
少なくとも自己に不利な情報については、早急に事実関係の調査を行い、可及的速やかに情報公開することが、リスクマネジメントの基本だと思う。私も組織の経営を預かる身として、深く自戒したい。(のじま)

関西学院高生、留守宅に侵入しLINE投稿 無期停学に(朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASH7234DDH72PIHB006.html