正義

私の読書好きの原点は、小さい時に家にあった母の海外ミステリだと思う。アガサ・クリスティーエラリー・クイーンはほぼ全部あったため、それを順番に読んでいった。今でも名作と名高い、「オリエント急行の殺人」や「Yの悲劇」と何の先入観もなく読むことができたのは、本当に幸運だったと思う。

最初の読書習慣がついたのはこのような海外ミステリだったわけだが、自分で文庫を購入して熱心に読み始めた最初は、やはり宗田理の「ぼくらシリーズ」だと思う。「ぼくらの七日間戦争」から始まるこのシリーズは映画化もされ、当時の学生はみんな読んでいた気がする。

時代はちょうど「丸刈り」問題が言われ始めた時期。社会の中で、学校の中でまだまだ自由がなかった時代に、「中学生が大人に反乱し、たてこもる7日間」のストーリは本当に新鮮だった。

あれから20年。自分たちの自由や主義主張のために戦うというのは、以下の若者たちには時代に合わないのかもしれない。それでも、自分たちのプライドや正義をかけてとことん戦う。そんな時間もあってといいのではと最近の学生を見ていて思う。