「連携」を成功させるために

今日はある自治体との打ち合わせでした。当会では、3年前から生活保護世帯の子どもたち向けの学習支援を各所で行っています。現在は生活保護を担当している課だけの事業でしたが、青少年を担当する課や教育委員会とも連携していった方がいいだろうということで、今日はその打ち合わせを行いました。

確かに今後、生活保護世帯の枠組みから生活困窮者自立支援法に移って事業が継続していくことから、通うことのできる生徒の裾野が広がることにより、各機関との連携はとても大事になってくるように感じます。
一方で、数年前に出版された湯浅誠さんの「ヒーローを待っていても世界は変わらない」という本にも記載がありましたが、それらの調整コストや調整責任は誰が負うのかということも大事な観点だと思っています。
湯浅さんは、ヒーローの出現を待って「ヒーローがうまく世の中を変えくれるよね、僕は何もしないけど。」という人が増えていると危惧されていましたが、世の中の仕組みを変え、課題を解決するためには膨大な調整コストがかかります。連携をするということは、それぞれが単体でやっているだけより絶対に効果的な支援に繋がるはずです。ただ、すべての事柄において「よりよい状態」を目指し続ければ、やることは果てしなく増えていきます。趣味やボランティアではなく、それぞれが対価を得て成り立っている「仕事」という位置付けとして事業を行っている以上「連携をするための調整コストは誰が担うのか。」という議論がすっぽり抜けたりうやむやにしたまま走り始めたりしてしまうと、中々大きな成果や継続性には繋がっていかないのではと感じています。

縦割りではなく、横展開で子どもたちのために連携をしていこうという流れはとても貴重な流れだと思います。これらの動きを無駄にしないよう、より効果的な道筋を一緒に考えていきたいと思った時間でした。(鶴巻)