脱「早く」「ちゃんと」「いい子に」

 育休が終わり、本をあまり読まない生活に戻っていることに気づきました。春に読んでいた藤原和博さんの「坂の上の坂」が目に入ったので、出勤前に少し目を通すことに。全般的には、成熟社会の中で、第2の人生も含めて、どう生きるかを考えようという内容ですが、その一部に子どもに「早く」「ちゃんと」「いい子に」を求めるのは止めようというメッセージが書かれています。子育て中ということもあり、本文とはあまり関係ないながら、前回読んだ時もこの文が一番心に残っています。
 確かに、大人のペースに合わせた「早く」、大人も曖昧な理解の「ちゃんと」、大人にとっての「いい子に」を求め、子どもと関わりがちになってしまいます。当会においても、キャンプの反省等で、特に「早く」は極力使わず、プログラムも子どものペースに合わせた余裕あるものにしようという動きがあります。
 私も日頃より、長男と接する時には、この言葉が出ようとするとぐっと堪え、違う投げかけをするよう気を付けています。誰かに迷惑をかけない限りは、道端に立ち尽くしても、急かさぬようにしています。よく見ると、足元の小さな蟻に見入ったり、空を眺めたり、引越しのお兄さんの動きを注意深く観察していることに気づきます。「ちゃんと」や「いい子に」についても、具体的にこちらの要望を伝えるようにしています。
 今朝も保育所への通園時間を過ぎ、家でグダグダしている長男。つられる次男。「早くしろ」をぐっと堪え、別の分かる表現で伝えました。頭では分かりながらも、なかなか難しいところです。(きたむら)