コツコツ

擬音語ブームのようなので、私も無理やり言葉を設定して書きたいと思います。

「コツコツ」
22時頃になるとその音はやってきます。「コツコツ」たまに「カリカリ」。ご飯を食べていても、テレビを見ていても、リビングに広がるコツコツ音。何かを伝えようとするその音。見ると、暗闇の中で黒光りするその筋肉質の肢体。実は、ちょうど1ヶ月前、我が家にカブトムシ♂がやってきたのです。
我が家にも子どもが2人いますが、生き物を飼うことには両親が若干抵抗を持ち、彼らが積極的に言ってくるまでは控えています。ただ1ヶ月前、妻の職場にカブトムシが舞い込できたということで、流れで我が家で住むこととなりました。と言っても、家族は興味があるものの、全く虫に触れません。仕方がなく、私が毎日エサや水の当番となりました。世話はいいのですが、夜になると先程の奇怪な音が響き渡ります。「コツコツ」「カリカリ」。最初は何か分からなかったのですが、夜行性のカブトムシが活発に活動し、虫カゴを引っ掻いているのです。寿命があと1ヶ月ぐらいなので可哀想と思いながら、子どものため、キャンプまで心を込めて飼うこととしました。そして先週、無事にキャンプ場でお別れすることができました。
今回私にとっても、野外活動団体に所属していながら、恐らく25年ぶりぐらいの経験でした。思い出すのは、小学校低学年の時に田舎に帰り、カブトムシやクワガタを数十匹捕まえ、紙箱に詰め込んで持って帰ろうとした時のことです。その時は、叔父宅や帰りの車中で、彼らは大胆にも箱に穴を開け脱走をはかりました。叔父と叔母がハエたたきで、飛び回る無数のカブトムシを叩き落とすのを鮮明に覚えています。私も最近は歳をとったことや、仕事でも現場と離れることが多くなり、なかなか虫や植物と触れる機会が減りました。ただ大学時代には、自然体験指導者養成講座やネーチャーゲーム研修などにも、好んで参加していたこともあります。また今後、自分の子どもや仕事の場において、意識して自然と触れる機会を持ち続けたいと思った1ヶ月でした。ちなみに先週のキャンプで、カブトムシと交代で、ザリガニが我が家にやってくるところでしたが、何とか思い留まったようです。(きたむら)