子どもの貧困撲滅プロジェクト”Chance for Children”始動

子どもの貧困プロジェクト"Chance for Children"

子供の貧困・子どもの貧困"Chance for Children"(チャンス フォア チルドレン)

当法人では昨年から「子どもの貧困」を一つの重要なテーマとして、どのような支援が可能なのかを検討してきました。そのなかで家庭の経済状況によって塾や余暇活動などの学校外教育を受ける機会が大きく異なっていることに注目し、貧困家庭の子どもに対する学校外教育の支援プログラムを立ち上げることとなりました。

全国初の学校外教育バウチャープログラム

このプログラムは多くの市民の方々からの会費や寄付を財源にしながら、経済的に困窮している家庭の子ども達に対し、年間25万円から50万円の教育バウチャー(クーポン)を提供するというものです。このような子ども達の学校外教育に特化した教育バウチャーの試みは全国的にも例を見ないものです。

日本の子どもの7人に1人が貧困

とかく「子どもの貧困」といえば海外のことと思われがちですが、経済協力開発機構の2008年度報告書によれば日本の子どもの貧困率は13.7%と日本の子どもの7人に1人が貧困状態にあるとされています。しかも近年の研究により、親の所得によって子どもの教育機会が制約を受け、子どもが成長した後も所得の高い職業に就くことが困難な状態にあること、つまり貧困の連鎖も指摘されています。

貧困によって生じる学力格差・教育格差

我が国においては義務教育がほぼ行き渡っており、基礎的な教育については家庭の経済状況にかかわらず受けることができる環境は整備されています。その反面、塾や予備校などの補助学習やキャンプ等の野外活動、余暇活動など学校外の教育サービスにかけられる費用は親の所得によって大きく差異があります。つまり経済的に困窮した家庭の子どもは十分な学校外教育を受けることができず、その結果として学力を伸ばす機会などが大きく制約され、大学などの高等教育機関に入学することも困難になっています。

市民とともに支える仕組み

私たちはこれらの子どもの貧困を単に家庭の問題や自己責任の問題としてとらえるのではなく、幅広く社会全体の問題であると考えています。そのため、私たちは多くの市民の皆さん方からの支援によって、子どもの貧困や貧困の連鎖を断ち切るための取り組みを広げていきたいと思っています。皆さまのご支援を心からお願いいたします。

子どもの貧困撲滅プロジェクト"Chance for Children"公式ブログ


なお子どもの貧困については阿部彩さんの著書によくまとめられています。関心のある方は是非、お読み下さい。

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)