居場所って

 今日もいつもと変わらない平和な金曜日だったため、昨日のことを少し記します。昨日、某市の教育委員会の担当者が、同市の中高生の居場所設置にあたり、当会の活動を聞きたいと来訪されました。聞くところによると、駅前に地下2階、地上8階のビルを建てるといったビッグプロジェクトのようで、私も興味津々で意見を交わしました。先月末も加古川市で居場所の講演会をしたところだったので、今の流行なのかと思いつつ、よく考えると当会も中高生の居場所「ユースステーション」×2館、「ゆうゆう広場」×2館、不登校児童の居場所「ほっとスペース」×3館、ポレポレ広場、フリースペース、駄菓子屋と、若者の居場所活動としてはかなり幅広く展開していることを再認識しました。そもそも当会の事務所自体が大学生の居場所となっており、多いときでは1日100名以上が出入りしているのが現状です。
 さて、「居場所」と一言に言っても様々なものがあり、地域的な背景や来る子の特性により、場所自体も日々変化していきます。私も様子を見ながら、アクションを起こしていますが、やはり関わりやその運営は難しいものだと痛感しています。ただ居場所では、シンプルに以下の3点の要素が必要と感じています。(1)居心地がよく、安心して居られる。(2)人(同世代や他世代)との交流がある。(3)自己実現ができる。また必ずしもこれでないといけないという訳でもなく、(1)でずっと居る人もおれば、(3)を求めて入ってくる人、(1)→(2)→(3)と活動の幅を広げる人など、関わりは人それぞれです。何かを強制するのではなく、その多様な関わりを認めることが居場所の一つ大きな魅力であると感じています。
 また一方で、マズロー欲求段階説を借りれば、5つの欲求の中で、中高生は特に「安全の欲求」「所属愛の欲求」が満たされ、「自我の欲求」や「自己実現の欲求」が強く芽生えてくる時期でもあります。当会の大学生スタッフが日々そうであるように、中高生も諸先輩の後ろ姿を見て、「自分も○○さんみたいになりたい」「自分もこんなことをしてみたい」という純粋な欲求を抱き、自主的にそれらに向かって持て余るエネルギーを使う場となればと願っています。もちろん前記のとおり、それは居場所として「安心して居られる」「誰かと繋がって居られる」を望むことを否定するものではありません。
 居場所について話し出すと、いつも色んな要素が出てきて、ただ長々とまとまりのない話になってしまうので、この辺で終わります。ご容赦下さい。準備を進める駄菓子屋が、地域の子ども達にとってどのような空間となるかが楽しみです。(きたむら)