震災と私

「長いトンネルを抜けると雪国でった」は、川端康成「雪国」の有名な冒頭です。
今日の三田はまさしくこの通りでした。


今日は、上ヶ原から関学シャトルバスに乗って、三田に移動したのですが、
西宮北有料道路(盤滝トンネル)を抜けると、突然の吹雪がバスを包みました。
そのうっすら白い景色を見ていると、
13年前の今日もこんな寒い日だったのかと思いました。


1995年1月17日、まだ中学2年だった私は、
下から突き上げられるような加速度を感じて起こされた。
初めは自分の状況すらもわからなかったが、
両親がやってきて、地震なんだということを知った。


ただ、幸い我が家は大きな被害がなかった。
家の中のいろいろなものが倒れたり、部屋の反対側まで移動していたり、
庭の灯篭が倒れて車にぶつかったりしているくらいで、
私が一番気にしていたことは、今日は学校どうなるのかなという程度の
本当に平和なことだった。


しかし、テレビを見た瞬間の驚きは今でも忘れられない。
あの阪神高速道路が倒れている映像。
あの映像を見たとき、これがとてつもない災害であることを知った。
そして、人間がその力をフルに使って作ったあの巨大な道路が
いとも簡単に倒されているのを見て、
この世には人の力ではどうにもならないものがあるということを、
初めて実感した気がした。


あれから13年。
伊丹駅が再建され、三宮のそごうも復活し、
様々なものが復興の名の下に建てられました。
そこに、私は人の強さを感じています。


今日、テレビではまだ本当の意味での復興は終わっていないと伝えていました。
大きな被害を受けなかった私には見えない部分で、
まだまだ震災が続いている人もいると思います。


しかし、私はあの神戸の町を見るたびに、
震災から立ち上がろうとした人々の強さを感じます。
そして、その強さをこれからも信じていきたいと思っています。(たなか)