生きやすい世の中

 毎朝新聞を読む度に大小の不幸な事件ばかりで、なんだか生きにくい世の中なのかなあと、他人事ながら気が滅入るのですが、そんな中、来春結婚する友人の一人が一言。自分の人生に於いて一番大切な物を見極めると、自ずと進む道も決まってきて、生きやすくなるって事に気が付いた、と。 「いかにささやかなものであれ、自分の役目をはっきりと見つめえた時、人ははじめて幸福になれる」という『人間の土地』の一節が、私は好きなのですが、この種類の幸福感は、役に立ちたい特定少数、もしくは不特定多数の他者とのつながりの中でしか得られない。 そして自分のミッションを見つめえたと感じた瞬間はあっても、そのつながりを失うたびに、一度は信じたはずのミッションも見失う。生きやすいと感じられるほど確かなミッションを持ち続けられる、ほんと、これ以上の幸福はありません。(近藤)