左利きに優しい世界

人前で文字を書くと「あ、左利きなんですね」と言われる。
私は日常生活からスポーツまで全ての場面で左手を利き手にして生活しています。
小さい頃は、その希少性に優越感を覚えたり、習字の時間には右手で書きなさいという理不尽な要求に憤ったりしていました。

それはさておき、最近嬉しかったことがあります。
とあるチェーン店のスープバーでのこと。
そう、よくあるこういうやつだ。

この時点でもうイヤな予感がしている…
あの、これ見よがしな、注ぎやすいだろうと言わんばかりの、お玉。あれが出てきたらどうしてやろうかと考えている。
右利きの人は少し想像してみて欲しい。

例えばコーンスープを掬おう。
左手でお玉の柄の部分を持つ。
そして、右手にカップを構えて、
いざ、注ごうって状態で、姿を現したお玉が、これだったら、、

おわかりでしょうか?この困惑を。
左手にこいつを持つと、注ぎ口が完全に逆を向くのです。
右手に持ち替えるか、手をクロスさせて無理やり注ぐか、注ぎ口など完全に無視するのか、苦渋の決断を迫られるのです。
でも、なんと、先日こんな感じのお玉に出会いました!

注ぎやすいを始めて体感しちゃいました。
左利き用はさみに出会った時以来の感動です。

左利きの人達がいるという事実を認識し、多数派である右利きにデメリットのない形で、少数派である左利きへの配慮を行う。
このお玉を採用した方は素敵な人だと思います。

自分とは違う立場や背景、価値観を持った人達が何を感じ、考えているかはなかなか気づくのが難しい。
だからこそ、さり気なく他者への配慮をしてくれる人達は本当に素敵だと思います。

相手の様子を観察し、想像し、必要なことを考えて、一つ一つ実行していく。

そこには、これまでやってきたからとか、こう言われたからとか、そんなつまらない理由じゃなくて、

自分がやる意味や意志が、夢中になれる理由が、あるんだと思います。
自分で考えて、行動する。だから面白い。
それができる場がBHだと思います。

こまい