一人の子が気づかせてくれたこと

ブレーンヒューマニティーに入って5年。
この季節がやってきました。新規プロポーザル案件の仕事で終われる時期です。

僕らからすれば、新しい行政と関われる機会であり、新しい子どもたちと出会える機会でもある。
一方で、今実施している事業を継続できるのかが決まる時期でもある。

自分が入社した1・2年は、鶴巻職員がその分野を担当していたので、この時期はかなり穏やかだった。
自分が最初にプロポーザルに行ったのは、鶴巻職員がインフルエンザになり、
代役として、北村元事務局長と一緒に参加した時だと記憶している。

当日はまったくうまく話が出来なかったことしか覚えていない。

そこから数年して、一人でプロポーザルに行く機会も増え、場数を踏んできた。
ただその回数が増えても、始まる間近には毎回思い出す一人の女の子がいる。

5年前に学習会に参加していた彼女。
参加が始まって、半年が経ち、当時の現場責任者に漏らした「家に居場所がない」という言葉。

詳しい話は書けないが、血のつながっていない兄弟が多く、狭い家で一緒に暮らしているという。
家では年下の子たちの面倒を見たり、家事をしないといけなかったりと、一人でいる時間がない。
本当は勉強もしたいが、家では無理だと話す。

そこから毎回の様に学習会では、勉強と現場責任者と話すことが行われた。
心を開いてくれた喜びと、自分たちの無力さと、そんな感情を現場責任者と話してきた。

そこから5年間、なんとかこの無力感を達成感に変えれないのかと試行錯誤してきたつもりである。
「もっとこういうことすれば、力になれるのではないか」
そんなことを1つ1つずつ形にしてきた。

もちろんまだ完成形ではない。まだまだ出来ることはたくさんある。
「今、5年前の彼女に出会えれば、何が出来るのだろうか。」
そんなことを考えながら、提案をしている。

そんな学習会であり、居場所であり、空間を作っていきたいと思っている。

この時期は割と体力的には大変だけど、
そんな思いで、提案書を書いています。

学生のみなさん、パソコンに向かって真剣ににらめっこしている時は、話しかけないでね。(笑)


(片岡)