帰国して1週間が経ち

 フィリピンより帰国して1週間が経ちました。先週は疲労のため、その報告ができなかったので、以下に少し記したいと思います。
 「猛暑」「危険」という言葉を描きながら現地に入ったのですが、実際目の当たりにした光景からはその2つは感じられませんでした。今は雨期のため気温もそれ程高くなく、町の雰囲気もそれ程荒れた感じでもありません。ただ空港にはマシンガンを持った警備員がいるのを見ると、日本とは全く違う空間に来たということは瞬時に理解できました。その非日常的な空間で、その後の7日間、高校生は盲ろう学校でのプログラムや幼稚園補修、ホームステイなどを通じ、大きな成長を遂げていくこととなります。
 詳細はワークキャンプブログを見ていただくとして、本キャンプを終えた感想を3点ほど。1つは、新規国でのプログラムを進める難しさを痛感しました。私たちが現地の受入団体やホストファミリーの多大なる支援を受けプログラムを進めるということは、その地の文化や慣習を受け入れるということになります。現地の方と同じ物を食べ、同じ物を飲み、同じ所に住み、同じ暮らしを行う。ただそこには、当会として、また一個人として受け入れられる価値観や安全面でのラインの判断がつきまとわります。4日目に訪問した路上で働く子ども達の家庭訪問で、少女から善意で出された水を飲めず断わる高校生の姿を見て、とても考えさせられました。その意味では、今回のキャンプは、数ヶ月前の準備の段階から、現地団体と調整を繰り返し、食事と寝床については特に配慮されたものでした。
 もう1つは、前記に伴い、フィリピンという国の「貧困」について、どこまで高校生が感じ取れたかという点です。決して私たちが見たごく僅かな面だけで「貧困」全てを理解したと誤解しないよう、今後の振り返りなどの事後プログラムで、皆で話し合い真実を知る作業が必要だと感じています。同国の治安についても同様のことが言えます。
 最後に、今回多くの方に支えられながら本キャンプが無事終えられたことを心から感謝しています。そして、参加者とスタッフ全員が大きな病気や怪我なく無事帰国でき、本当にほっとしております。日本も日々事件が起きている国ですが、やはり他国ではそれとは別次元で何が起きてもおかしくないと思いますので。毎回マレーシアやフィリピンに移り住みたいという高校生がいますが、私にとってはやはり日本が一番です。(きたむら)

ワークキャンプブログ http://d.hatena.ne.jp/malaysia06/20080823/p1