浜を振り返り

一昨日、能島理事長が小豆島キャンプについて書いていたので、私もそれに関連して。学生時代のお話を少し記したいと思います。

Blue Beans Shore。この団体との出会いがなければ、私がこの「今日の事務局」を今こうして書いていることもなかったことでしょう。言わば青少年育成系NPO職員・北村頼生の生みの親です。BHの前身である関学学習指導会との出会いの前に、私はこのBBSと運命の出会いました。大学1年生の夏前に、友人の誘いで小豆島のキャンプ場にログハウス建設に参加し、芸術大学在籍のユニークな学生と共に、草刈りに始まり、土台作りや建設に携わりました。そして、その浜や人の雰囲気に魅了され、2回の夏をそこで過ごすこととなります。

浜では、透き通る海、澄み渡る空、海に潜れば魚や鮑など、自然を満喫することができます。昼間はヨットやカヌーなど、夜はカニを取ったり夜光虫を見たりと、プログラムも豊富です。BHの主たるキャンプとは異なり、基本的にフリータイムを班単位で楽しみます。どちらがいいという訳でもなく、内容や雰囲気はかなり異なっています。なお、キャンプリーダーはグループダイナミズムや海洋プログラムの研修を受けた強者達です。その多くは、2週間〜1ヶ月という長期間をその浜で過ごし、現地人化した風貌です。

私もキャンプリーダーデビューは、このBBSで迎えました。しかもなかなか個性のある5人の子どもの班で、グループをまとめたり、プログラムに一緒に取り組んだりするのに、大変苦労した記憶があります。何せ企画という企画がないため、一日中をほぼリーダー1人が考えた行程で過ごすこととなります。毎晩自分で自然を生かしたプログラムを考え、翌朝に臨む訳です。十分な研修を受け、浜を熟知したリーダーだからこそで成せる技です。ただ未熟だった私はこの初戦で、「リーダー面白くない」「リーダーは俺の事を分かってくれてない」「このリーダー初めてやから仕方がないねん」「リーダーなりに頑張ってるで」という子ども達の洗礼を受けることとなりました。もちろん最終的には、「来て良かった」と笑顔で帰って行きましたが。

BBSのキャンプは決してただ楽しいだけのキャンプでありません。キャンプリーダーと共に、子ども達も自ら考え行動し、多くを感じ多くを学べるキャンプです。言わばリーダーと子どもが共に創り上げ、共に成長できるキャンプです。そのフィールドと体制はこの浜には整っています。正直リーダーとしては、関学学習指導会でリーダーをした時の3倍は大変だった記憶がありますが、本当に多くのことを学び、その後の活動の基礎を築くことができました。自分を育ててくれたBBSに感謝すると共に、性質の違うBBSとBHの両キャンプが、子ども達の学びや成長の場として今後もあり続けることを切に願っています。(きたむら)