学生が社会とつながるために


今日は当会が兵庫県ビジョン担当課と協働で実施している
「ひょうご未来塾」の最終報告会が行われました。


この「ひょうご未来塾」というのは、
県内の大学生が集まり、県が抱える様々な課題について、
チームで調査研究や検討を行い、政策を提言するという
プログラムです。


去年の9月から学生が集まり、合宿をしたり、
各地域へ出かけていき、調査をしたりしながら、
提言をまとめました。


今日は、井戸敏三兵庫県知事も出席し、
大学生たちがそれぞれに検討した政策をプレゼンテーション
しました。


まだまだ荒削りな部分も多々ありましたが、
知事を始め、県の幹部のみなさんなども真剣に耳を傾けて
くださいました。


この事業で学生たちに助言やアドバイスをいただいている
甲南大学井野瀬久美恵教授も学生たちに暖かい激励を
してくださりました。


BrainHumanityは3つのミッションを掲げて
活動を行っていますが、そのうちの一つにこんな使命があります。


「若者に対し、多様な価値を創造していくための機会と基盤を提供する。」
(BrainHumanity Mission II)


若者が社会とつながるにはどうすればよいのか、
BrainHumanityでは子どもたちのサポートを行いながらも、
同時にそのことも念頭においています。


地域活性化のキーワードに
「よそ者、ばか者、若者」というのがあります。


よそ者やばか者、そして若者が地域に関わることによって、
地域は活性化していくという意味です。


よそ者にしろ、ばか者にしろ、若者にしろ、
地域においてこれまでに形成されてきた価値観からは
異質なものでもあります。


閉塞状態にある地域においては、
こうした「異質なもの」が新しい突破口を開く可能性があると
考えられています。


もちろん、地域でも、社会でも、長年の歴史の中で
培われてきた価値観や考え方、習慣やしきたりがあります。
それらを尊重しながらも、そこに「異質なもの」の視点を
加えていくことが必要なのではないかと思っています。


今日の報告会で障碍者、高齢者施策について専門的な視点で
コメントをしてくださったNPO法人コムサロンの前川さんは
そのコメントのなかでこんなことをお話されました。


「発表では高齢者を社会的弱者と表現したが、果たして一概に
 弱者であるといえるのだろうか。
 むしろ社会に十分なものをいえない若者の方が弱者では
 ないのか」


確かに国や自治体の政策に若者の声や視点はあまり反映されていない
といっても過言ではありません。


少なくとも、政策立案のプロセスに若者が関わっている事例は
全国的にも希有なことです。


その背景には若者の社会参画意識の低さ、特に投票率の低さなども
ありますが、
一方で若者が社会参画をするための機会が十分に整備されていない
ことも事実です。


ある意味において、
若者の社会参画意識の低さと
社会参画機会の少なさは、
鶏と卵の関係にあるのかもしれません。


そんな若者たちを毎日、眺めながら、
どうすれば若者が社会とつながるのか、
そんなことを考えています。(のじま)