尊敬する恩師

 幸いなことに私には私の人生を変えてくれたともいえる尊敬する恩師が何人かいます。中学時代に出会った尾崎先生、大学時代に出会った長尾さん、佐島さん、NPOを始めてから出会った田村さん、川北さん。それらの恩師の一言一言が重くのしかかりながら、今の自分を形作っているのだろうとつくづく思います。
 昨日はそのうちの一人、田村さんと一緒に飲みました。田村さんは1995年に阪神・淡路大震災で被災した外国人の支援を行う「多文化共生センター」の創設者で、現在では「ダイバシティ研究所」などいくつかの団体の代表をされておられます。その中でも今日、お伝えしたいのは「チャイルドケモハウス」の活動です。ケモというのはケミカルオペレーション(化学療法)の略語なのですが、チャイルドケモハウスでは様々な方法で治療を継続している小児癌の子どもたちの生活の質(QOL)を向上させることを目的にその子ども達が治療を受けながら、24時間家族とともに過ごすことのできる家型病院の設立を目指しています。
 田村さんの息子さんも小児癌を患っておられるのですが、私の近しい知り合いにも同じような子どもを持つ人がいます。現在、小児癌の治療は病院で行われていますが、子ども達が24時間生活する病室は一般のそれと変わりありません。田村さんは自身のブログの中でこうつづっています。

いままさに、こんな空間で息子と妻は24時間生活しています。
http://blog.canpan.info/kemohouse/archive/341
何でこんな状態が放置されているのか、理解できません。病人は囚人ではないのです。ひょっとするとそこで人生を終えてしまうかもしれない子どもたちに、せめてもう少し人間的な環境を用意してあげて下さい。

田村太郎のブログ

 被災した外国人の支援から始まった田村さんのNPO活動は、また新しい領域を切り開こうとしています。そんな田村さんの背中を見ながら、私も必死で追いかけることができればと、昨日、飲みながら密やかに考えていました。(のじま)

■NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス