一日の終わりに(小説風)

 仕事も終わって家に着きほっと一息。秘蔵のバランタインをストレートでひとくち口にふくむ。喉元から全身に黄金色の液体が染み込む。最高だ。酒にもそれぞれ人生があり、その歳月を感じながら飲むことでより旨く感じる。ソファに体を預け、私はそのスコットランドからやってきた「偉大な飲み物」を見つめながら一日のできごとを思い返していた。  すると突然、闇を切り裂くように「ワンワン!」と携帯が吠えた。メールだ。「誰だ、こんな時間に」と思いながら携帯をチェックする。さっきまで事務所で仕事をしていた学生からだ。すわ事件か!?、全身に緊張が走る。いざメールを読んでみると「きょうの事務局、更新されてませんよー」とな。私は少し苦笑いしながらも胸を撫で下ろし、わざわざメールを送ってくれた彼女に「ありがとう、いい夢見なよ」と星空を仰ぎながら囁いた。ああ、こうしてまた夜が更けていく。(橋)