あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

旧年中も、たくさんの方々の支えの中、活動を行うことができました。
今年も大学生ボランティアと事務局スタッフとで力を合わせ、
多くの事業を通じて子どもたちと、社会と関わっていきたいと思っています。
変わらぬご支援・ご参加をどうぞよろしくお願い致します。


年始に際し、代表の能島が当会ボランティアに向けて送ったメッセージを抜粋して
新年の挨拶とさせていただきます。

++
2007年を迎えて 

BHは2007年で設立13周年を迎える。
NPO法人格を取得し、事務所を構え、職員を雇用し始めてから8年になる。


いまから7年前、2000年度の決算では
当法人の収入総額は年間3000万円ちょっとだった。
それが2006年度決算では、6500万円を越えるまでになった。


ボランティアの数も、2000年当時、総勢で200名程度だったものが、
現在では400名にまでなった。


つまり、この7年で予算、人員ともに倍以上もの成長を遂げることができた。


もちろん、BrainHumanityは非営利の組織として、
規模の拡大だけを目指す組織ではない。


しかし、この10年あまりのあいだ、
BHを支えてきた多くのボランティアたちの努力の結果として、
その活動が広く子どもたちや保護者に受け入れられ、
成長してきたことは紛れもない事実である。


いまのBHの姿をみたとき、多くのボランティアたちや
影で私たちを支えてくれた支援者の方々への感謝の思いが沸々と湧いてくる。


おそらく、ここ数年の間にBHに入ってきたボランティアにとっては、
当たり前と感じることでさえも、多くの人々の支えと努力の結果であることを
忘れてはいけないだろうと思う。


1994年、この組織の前身となる関学学習指導会は、
4人の関学生の雑談のなかで生まれた。
別に大きな理想もなく、単に家庭教師のバイトを見つけようという
単純な発想のなかで生まれた。


その翌年、阪神・淡路大震災が発生し、その活動は、大きく変化してきた。
はじめは雑談で始まった組織だったが、
やがて、被災した子どもたちを支えるという活動にシフトが移り、
その後、不登校の子どもの支援や海外でのプログラムなどにも発展し、現在に至っている。


しかし、当初は資金も、事務所も、職員も、本当に何もないところからの
スタートは、まさに暗中模索と試行錯誤の繰り返しだった。


去年の年末に開かれた理事会、総会において、私はこう述べた。


「もはやBHは安定局面に突入した。」


別に安定することは否定することではない。


非営利の組織として、安定的にサービスを提供し続けることは、
私たちの義務でもあり、責任でもある。


しかし、安定の一方で私たちが失いつつあるものがある。


それは、フロンティアスピリッツであり、
挑戦し続ける姿勢であったり、
失敗をおそれない心構えだと思う。


BHが始まって以来、
この組織の安定化のために尽力してきた私自身も、
そのあまりにそれらの思いを置き去りにしてきたことを
深く反省している。


BHが提供している様々なサービスは、
すでに量的にも質的にも設立当初からは比べものにならないくらい向上し、
発展している。
そして、それはこれからも維持し、持続させ、さらに加速させる必要がある。


ただ、その一方で、
新しい挑戦は、ここ数年行われていない。


確かに、今のBHは凄いかも知れない。
学生主体のNPOでありながら、これだけの規模、品質の事業を展開している組織は
全国的にもほとんど例を見ないだろう。


ただ、BHの凄さは、いまの現状ではなく、
それを学生達がゼロから生み出してきたことだろうと思う。


おそらく、この数年間、私が必死でやろうとしてきたことは、
学生の社会に対する挑戦だったのだろうと思う。


1994年、学生だった私が始めた挑戦は、10数年を経て、安定を迎えた。
そして、私自身の挑戦は、それなりの成功を収めたのだろうと思う。


だから、これからは私自身の挑戦ではなく、
学生自身の挑戦を私が支えていこうと強く思う。


いまのBHは、なんでもそろっていて、多くの仲間達がいて、
そこで活動すれば、とても楽しいだろうと思う。


でも、私はBHがそれだけで満足する組織では
あってはならないだろうと思うし、
その中にあって、さらなる高みを目指し、
挑戦を続けようとする学生達を支えるような場でありたいと思う。


私はこれからBHの中で挑戦しようとする学生を支えていきたいと思う。


社会に対して挑戦をし、仲間と腹の底から葛藤を繰り返し、
自分にも他者にも妥協を許さない、そんな組織であってほしいと願う。


私自身、2007年をそんな決意をもって、臨みたいと思う。

能島 裕介