某NPO団体の財務状況について

 今日の読売新聞に西宮市内の某NPO団体が財務状況が厳しいため、閉鎖に追い込まれそうだとの記事が出ていました。その団体は私もよく知っている団体なのですが、ついに来たかという感じです。 確かに、ほとんどのNPOが財務上、極めて厳しい状況にあるのは事実です。当会も例外ではありません。しかし、その記事を読んで私は愕然としました。 その記事をには「不況の影響で収入半減」と大きく書かれていました。あたかも、その団体の財務状況の危機の原因が「不況」であるかのようです。確かに、「不況」は収入減少の理由の一つかも知れません。しかし、それを原因としたところで、その団体の財政状況について改善策を打てるのでしょうか。第三者に原因を求めることによって、自らの責任を回避しようとしているのでしょうが、NPO経営者としては、あまりに無為無策なその見解に、私は呆れています。 不況下においても、収益を伸ばしている企業は数多くあります。発展途上にあるNPOにおいても、確かに厳しい状況であるとはいえ、収入を増加させている団体も多くあります。それは、その企業や団体が提供しているサービスが社会に受け入れられているからに他ありません。逆に言うと、社会的な価値を創造しない組織は、社会から退場することを余儀なくされます。 その団体は、兵庫県の認証NPO法人第1号です。ついに、NPO淘汰の時代が来たのかも知れません。社会的に無価値な組織は早々に消滅していくでしょう。NPOというだけで、信頼が高まり、寄付が集まる時代はすでに終わっています。継続的な組織変革と価値創造への絶え間ない努力が求められています。それができない団体は、早々に退場した方が、今後のNPOセクターの発展に寄与するだろうと思います。もう、すでにそんな時代です。 そして、私はその記事を見て、自問します。果たして私達は社会に価値のある事業を提供し続けているのだろうか。私達は、常に社会を見つめ、自己変革し続けているのだろうか。 そんなことを考えながら、2003年度の事業計画を眺める一日でした。(のじま)